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    広域連合制度の解説

    • ID:96

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    意義

    広域連合は、普通地方公共団体および特別区が、広域にわたり処理することが適当であると認められる事務に関し、広域にわたる総合的な計画(以下「広域計画」という。)を作成し、これらの事務の管理および執行について広域計画の実施のために必要な連絡調整を図り、ならびにこれらの事務の一部を広域にわたり総合的かつ計画的に処理するため、その協議により規約を定め、都道府県が加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事の許可を得て設ける特別地方公共団体です。
    【地方自治法284(3)】

    沿革

    広域連合制度は、多様化している広域行政需要に的確に対応するとともに、かねてからその必要性が指摘されていた国等の権限の受け入れ体制として、平成6年の地方自治法の一部改正によりその制度化が図られたものです。
    都道府県および市町村の区域を超える広域的な行政需要への対応には、事務の共同処理のための制度が従来からいくつか活用されてきましたが、その中心的な地位を占める一部事務組合制度について、第23次地方制度調査会等において、次のような限界が指摘されてきたところです。

    1. 国または都道府県から直接に権限の移譲が受けられないこと
    2. 所掌事務を含む規約の変更に自らのイニシアティブが発揮できないこと
    3. 広域にわたる計画の作成が要件とされておらず、仮に作成したとしても、その実効性を法的に担保する制度が設けられていないこと

    そこで、これらの制度的限界を踏まえ、それを克服するために、広域行政需要に適切に対応するとともに、国等の権限の受け入れ体制となりうるものとして、広域連合制度が設けられました。

    性格

    広域連合は、地方公共団体の組合の一形態として設けられたものですが、従来の組合が有している「事務の共同処理方式」という性格にとどまらず、広域にわたり処理することが適当であると認められる事務について、広域計画の作成や連絡調整などの権能を有する、弾力的、機動的な広域行政機構としての性格を持つものと考えられます。
    構成員としての住民を明確にしていることや、組織する地方公共団体に対して一定の勧告ができること、さらには、国等の権限に属する事務の処理ができることなど、従来の組合になかった新しい仕組みが設けられ、新しい権能が与えられていることからも、広域連合はそれまでの組合の性格の枠内にとどまらないものといえます。

    構成要素

    広域連合は特別地方公共団体であるので、3つの構成要素、すなわち、区域、構成員、権能を有します。

    区域

    広域連合の区域は、規約で定めます。【地方自治法291の4(1)】
    その場合には、「当該広域連合を組織する地方公共団体の区域を合わせた区域」とすることとされています。【地方自治法291の4(2)】
    ただし、都道府県の加入する広域連合については、当該広域連合の処理する事務が都道府県の区域の一部のみに係る場合等は、その区域を特に「広域連合の区域」として定め、広域連合に加入しない市町村の区域を除くことができるものとされています。

    構成員

    広域連合は、県、市町村を構成団体とするが、究極的には、当該区域内に住所を有する住民が構成員となると考えられます。
    これは、議会の議員および長の選挙について、住民の直接選挙によることができることおよび直接請求を認めていることなどによります。【地方自治法291の5、291の6(1)(2)】

    権能

    地方公共団体の事務で広域にわたり処理することが適当なものに関し

    1. 広域計画の作成
    2. 広域計画の実施のための連絡調整
    3. これらの事務の一部の広域にわたる総合的かつ計画的な処理
    4. 国等の権限に属する事務の処理

    特徴

    広域連合は、新しい時代にマッチした広域行政の推進を図り、あわせて地方分権の推進に資するシステムとして制度化され、次の特徴を有しています。

    組織・権能における弾力性

    組織、権能などの点において、組織する地方公共団体の創意工夫が反映し得るよう、制度上極めて弾力性に富んだものとされています。
    すなわち、組織する地方公共団体は、同列の団体同士の組合せに限らず、都道府県と市町村といった組合せを認めるとともに、処理する事務も広域にわたり処理することが適当であると認められるものであれば、組織する地方公共団体相互間で同一のものでもかまいません。

    住民の存在と民主的統制

    広域連合は住民の存在を前提とした制度とされており、その運営を住民の民主的な統制のもとに置くこととしています。そのため、議会の議員や長の直接公選の方法をとることもできることを記入し、普通地方公共団体における直接請求制度の全面適用と、広域連合の住民にのみ特に認められる規約の変更の直接請求も採用しています。

    組織する地方公共団体からの独立性

    広域行政需要への対応という面において、組織する地方公共団体から独立して機能を発揮しうるような制度とされています。
    具体的には、広域連合の側から規約の変更を組織する地方公共団体に要請しうることとされ、また、広域計画の実施上支障がある場合には、組織する地方公共団体に対し改善策等の勧告ができることとされています。

    国等の権限に属する事務の処理

    国や都道府県知事等の権限に属する事務を直接処理することができ、また、都道府県の加入する広域連合は国に、都道府県の加入しない広域連合は都道府県に対し、当該広域連合の事務に密接に関連する国等の権限に属する事務の一部を処理することとされるよう要請することができます。

    広域連合が処理する事務

    広域連合は、広域計画を作成し、地方公共団体またはその機関の事務で広域にわたり処理することが適当であると認める事務およびこれに関連して国等の権限に属する事務を総合的かつ計画的に処理するために設けられたものであり、この趣旨に合致するものであれば、基本的には広域連合が処理することができる事務についての制限はありません。

    「広域にわたり処理することが適当であると認める事務」とは、地方公共団体が、それぞれ単独で処理するよりも、他の地方公共団体と協力して広域連合を設置してその事務に当たらせることが適当と認められるものをいうものであり、基本的には広域連合を組織しようとする地方公共団体が住民福祉の増進、事務処理の効率化等の見地から判断すべきものです。

    したがって、広域連合を組織する団体は、必ずしも相互に共通する同一の事務を広域連合に処理することとさせなければならない訳ではなく、「広域にわたり処理することが適当であると認め」られる限り、全く同一の事務でなくともかまいません。
    例えば、次のような事務を処理するための広域連合を設置することも可能です。

    <都道府県の事務と市町村の事務との複合的な処理例>

    • 産業廃棄物に関する事務と一般廃棄物に関する事務
    • 流域下水道の設置管理と公共下水道の設置管理
    • 広域的な防災対策と消防事務
    • 国道(指定区間を除く)・県道の管理と幹線市町村道の管理等

    設立手続

    広域連合の設立のための手続は、おおむね一部事務組合に準ずるものです。
    すなわち、関係地方公共団体は、各地方公共団体の議会の議決を経て、協議により規約を定め、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事の許可を得て、広域連合を設けることができます。【地方自治法284(3)、291の11】
    設立の手続は、次のとおりです。

    事実上の協議

    事前に関係地方公共団体間において、広域連合設立に関する基本的事項および規約案等について協議し、案を作成します。

    事前協議

    設立許可の権限を有する総務大臣または都道府県知事と事前に協議を行います。

    関係地方公共団体の議会の議決

    広域連合を設立しようとする地方公共団体の議会において、広域連合の設立および規約案の内容について、これに同意する旨の議決を行います。

    許可申請

    広域連合を設立しようとするすべての地方公共団体の議会において議決が行われた場合には、関係地方公共団体の長は協議により広域連合の規約を定め、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事に対して広域連合の設立の許可の申請を行います。
    なお、申請は、すべての関係市町村の長の連名で許可権者に対して行います。

    設立の許可

    総務大臣または都道府県知事の許可を得て、広域連合が設立されます。
    なお、総務大臣は、設立の許可をしようとするときは、国の関係行政機関の長に協議しなければなりません。【地方自治法284(4)】

    広域連合の設立の許可が行われ、広域連合が設立された段階で、広域連合の議会の議員および長の選挙を行います。
    また、広域連合が設けられた後、速やかに、その議会の議決を経て、広域計画を作成しなければなりません。

    国等の権限に属する事務の処理等

    国の事務

    国は、その行政機関の長に属する事務のうち広域連合の事務に関連するものを、別に法律またはこれに基づく政令の定めるところにより、当該広域連合が処理することとすることができます。【地方自治法291の2(1)】
    広域連合による国の行政機関の長の権限に属する事務の処理は、個別の法令の定めるところにより行われるものであるが、事務の処理の可否は広域連合の規模、能力、事務の範囲等により総合的に判断されるものであることから、一定の条件を満たした広域連合に一律に処理させることとする方法のほか、個別の広域連合ごとに処理させることとすることも可能です。

    都道府県の事務

    都道府県は、その執行機関の権限に属する事務のうち都道府県の加入しない広域連合の事務に関連するものを、条例の定めるところにより、当該広域連合が処理することができます。【地方自治法291の2(2)】
    都道府県知事等が、その権限に属する事務を広域連合の長等に処理させる場合における事務処理の形式については、事務処理の内容が明らかにされれば足りるものであるが、住民に関連のある事務については、例えば告示等の方法によりあらかじめ周知することが必要です。
    一般的には、処理させる事務の範囲、必要な組織の整備、処理させる時期等について、事前に広域連合の長等と協議を行い、これが整った後に都道府県知事等が事務処理について定める規則を制定し、その旨を都道府県公報により告示することが望ましいものと考えられます。
    都道府県知事等の事務を広域連合に処理させることについては、個別の法制度上、委任することになじまない事務もありうることから、個別の法制度の趣旨を十分検討の上、事務を処理させるに当たっては都道府県の関係部局とも十分な連絡調整を図る必要があります。

    規約の変更

    国等の事務を広域連合が処理することとされたとき(変更されたときを含む)は、広域連合の長は、直ちに次の措置を講じなければなりません。

    1. 広域連合の処理する事務または広域連合の経費の支弁の方法に係る規約につき必要な変更を行います。
    2. 都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事に届出をします。
    3. その旨を構成団体の長に通知します。

    国に対する要請

    都道府県の加入する広域連合の長は、その議会の議決を経て、国の行政機関の長に対し、当該広域連合の事務に密接に関連する国の行政機関の長の権限に属する事務の一部を当該広域連合が処理することとするよう要請することができます。【地方自治法291の2(4)】

    都道府県に対する要請

    都道府県の加入しない広域連合の長は、その議会の議決を経て、都道府県に対し、当該広域連合の事務に密接に関連する都道府県の事務の一部を当該広域連合が処理することとするよう要請することができます。【地方自治法291の2(5)】

    広域連合の規約等に関する事項

    規約の記載事項

    広域連合は、その設立にあたり、構成団体の協議により規約を定めることとされています。【法284(3)】
    広域連合の規約の必要的記載事項は次のとおりです。【地方自治法291の4(1)】

    • 広域連合の名称
    • 広域連合を組織する地方公共団体
    • 広域連合の区域
    • 広域連合の処理する事務
    • 広域連合の作成する広域計画の項目
    • 広域連合の事務所の位置
    • 広域連合の議会の組織および議員の選挙の方法
    • 広域連合の長、選挙管理委員会その他執行機関の組織および選任の方法
    • 広域連合の経費の支弁の方法

    広域連合の区域

    規約に定める「広域連合の区域」には、当該広域連合を組織する地方公共団体の区域を合わせた区域を定めるものです。
    ただし、都道府県の加入する広域連合については、広域連合の処理する事務が都道府県の区域の一部に係る場合等は、その区域を特に「広域連合の区域」として定め、広域連合に加入しない市町村の区域を除くことができるものとされています。【地方自治法291の4(2)】

    広域連合の処理する事務および広域計画の項目

    広域連合の規約に定める「広域連合の処理する事務」および「広域計画の項目」については、できる限り明確かつ具体的なものとします。

    議会の議員および議員の選挙の方法

    議会の議員の定数、任期、被選挙資格、議長、副議長に関すること等はいっさい規約に委ねられています。
    議会の議員の選挙方法については、広域連合の選挙人による直接投票または広域連合を組織する地方公共団体の議会における選挙に限られています。【地方自治法291の5(1)】
    選挙の具体的方法については、規約で定める、すなわち、議員の定数、被選挙資格、任期、選挙の方法、広域連合を組織する地方公共団体の議会において選挙する場合の当該議会において選挙すべき議員数、投票の方法等について、規約で定めます。

    広域連合の長、選挙管理委員会その他執行機関の組織および選任の方法

    広域連合の長、選挙管理委員会は、広域連合においては、必置とされています。
    広域連合の長の選任方法は、広域連合の選挙人による直接投票または構成団体の長による間接選挙に限られています。【地方自治法291の5(2)】
    選挙の具体的方法については、規約で定める、すなわち、被選挙資格、任期、選挙の方法、投票の方法等について、規定で定めます。
    広域連合は、普通地方公共団体と同様の直接請求を認めることとされていることから、選挙管理委員会を置くこととされているものです。
    また、監査委員についても、一部事務組合と同様に必置と解されます。
    選挙管理委員会および監査委員に係る、組織、権限、選任方法等は、規約で定められます。

    その他

    広域連合の議会の議員または長その他の職員は、当該広域連合を組織する地方公共団体の議会の議員または長その他の職員と兼ねることができます。【地方自治法291の4(4)】

    広域連合の構成団体、事務および規約の変更の手続

    構成団体、事務および規約の変更の許可申請

    広域連合は、これを組織する地方公共団体の数を増減し、もしくは処理する事務を変更し、または広域連合の規約を変更しようとするとき(事務所の位置もしくは経費の支弁の方法または広域連合が新たに事務を処理することとされた場合(変更された場合を含む。)における当該事務のみに係る規約の変更を除く。)は、関係地方公共団体の協議によりこれを定め、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事の許可を受けなければなりません。【地方自治法291の3(1)】
    この場合において、関係地方公共団体の協議については、関係地方公共団体の議会においてそれぞれ議決を経なければなりません。【地方自治法291の11】
    なお、議会の議決を経る前に総務大臣または都道府県知事と事前協議を行い、変更の許可申請等の手続については、設立手続と同様です。

    規約の変更の届出

    広域連合は、事務所の位置または経費の支弁の方法のみに係る広域連合の規約を変更しようとするときは、関係地方公共団体の協議によりこれを定め、直ちに、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事への届出をしなければなりません。【地方自治法291の3(3)】
    この場合において、関係地方公共団体の協議については、関係地方公共団体の議会においてそれぞれ議決を経なければなりません。【地方自治法291の11】

    国等の権限に属する事務を処理することとされた場合の規約の変更の届出

    国等の権限に属する事務を広域連合の長等が処理することとされたとき(変更されたときを含む。)は、広域連合の長は、直ちに次の措置を講じなければなりません。【地方自治法291の3(4)】

    1. 広域連合の処理する事務または広域連合の経費の支弁の方法に係る規約につき必要な変更を行い、
    2. 都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事に届出をするとともに、
    3. その旨を構成団体の長に通知します。

    規約の変更の要請

    広域連合の長は、広域計画に定める事項に関する事務を総合的かつ計画的に処理するため必要があると認めるときは、その議会の議決を経て、当該広域連合を組織する地方公共団体に対し、規約を変更するよう要請することができます。【地方自治法291の3(7)】

    広域連合の議会の議員および長の選挙

    広域連合については、これを組織する地方公共団体に対して規約の変更の要請や広域計画に基づく勧告をすることができるなど、一定の独立性を認めることとされているところであり、その区域の住民の意思が広域連合の行政に十分反映されるよう議会の議員および長の選出についても、選挙の方法を直接選挙または間接選挙に限定することとし、充て職を認めないこととされました。

    議員の選挙

    広域連合の議会の議員は、規約で定めるところにより、広域連合の選挙人が投票によりまたは広域連合を組織する地方公共団体の議会においてこれを選挙します。【地方自治法291の5(1)】

    長の選挙

    広域連合の長は、規約で定めるところにより、広域連合の選挙人が投票によりまたは広域連合を組織する地方公共団体の長が投票によりこれを選挙します。【地方自治法291の5(2)】

    選挙人

    広域連合の選挙人とは、「広域連合を組織する普通地方公共団体等の議会の議員および長の選挙権を有する者で、当該広域連合の区域内に住所を有する者」をいいます。

    議会における選挙の方法

    広域連合を組織する地方公共団体の議会における選挙の具体的方法としては、次のようなものが考えられます。

    1. 広域連合の議会の議員数を、広域連合を組織する地方公共団体の議会ごとに割り振り、当該議会において議員が投票により選挙する方法
    2. 共通の候補者につき、すべての関係地方公共団体の議会において選挙し、すべての議会の選挙で当選した者が議員となる方法
    3. 共通の候補者につき、すべての関係地方公共団体の議会において選挙し、それぞれの選挙における得票数を累積したものにより当選者を決定する方法

    公職選挙法の適用

    広域連合が、その議会の議員または長を選挙人による直接選挙により選出する場合には、当該選挙につき公職選挙法の規定が適用されることとなるよう当該広域連合の規約を定める必要があります。

    直接請求

    広域連合について、

    1. 普通地方公共団体と同様の直接請求制度
    2. 規約の変更の要請に係る直接請求制度

    が設けられています。
    これは、広域連合の行政運営を民主的コントロールのもとに置くという趣旨によります。

    条例の制定改廃、事務監査、解散、解職の請求

    広域連合における直接請求の手続は、普通地方公共団体の直接請求の手続に準じて行われます。

    すなわち、地方自治法第2編第5章(直接請求)の規定は、広域連合の条例(地方税の賦課徴収ならびに分担金、使用料および手数料の徴収に関するものを除く。)の制定改廃、事務監査、議会の解散または議会の議員もしくは長その他広域連合の職員で政令で定めるものの解職の請求について準用します。【地方自治法291の6(1)】
    この場合、広域連合を組織する普通地方公共団体等の議会の議員および長の選挙権を有する者で当該広域連合の区域内に住所を有する者が、請求権を有します。

    広域連合の職員で政令で定めるもの

    広域連合の職員で政令で定めるものは、「副知事もしくは副市町村長もしくは監査委員に相当する者として当該広域連合の規約で定める者または選挙管理委員」とします。【地方自治法施行令216】

    規約の変更の要請に係る直接請求

    広域連合を組織する地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有する者で当該広域連合の区域内に住所を有するものは、その総数の3分の1以上(40万を超える場合は別途算定)の者の連署をもって、その代表者から、当該広域連合の長に対し、当該広域連合の規約の変更を要請するよう請求することができます。【地方自治法291の6(1)】
    この請求があったときは、広域連合の長は、直ちに、請求の要旨を公表するとともに、当該広域連合を組織する地方公共団体に対し、規約を変更するよう要請しなければなりません。【地方自治法291の6(3)】
    また、当該広域連合を組織する地方公共団体は、当該要請を尊重して必要な措置を執るようにしなければなりません。【地自治法291の6(4)】

    公職選挙法の準用

    公職選挙法中普通地方公共団体の選挙に関する規定は、広域連合の議会の解散の投票、議会の議員および長の解職の投票に準用することとされており【法291の6(7)】、地方自治法施行令で、公職選挙法および同法施行令の準用および読み替えについて規定されています。

    広域計画

    広域連合においては、これを組織する地方公共団体やその住民に対して当該広域連合の目標等を明確にしながら事務処理に当たるとともに、広域的調整を図りながら広域行政を円滑に行うため、その設立に当たって広域計画の作成が義務づけられているものです。
    したがって、広域連合は、規約に定められた広域計画の項目に従い、広域連合の設立後、速やかに、その議会の議決を経て、広域計画を作成しなければなりません。【地方自治法291の7(1)】

    広域計画に定める内容

    広域計画には、広域連合の処理する事務のみならず、当該広域連合を組織する地方公共団体が相互に役割分担を行い、連絡調整を図りながら処理することが必要な事務についても定めるものです。

    基本構想等との調和

    広域計画を作成するに当たっては、市町村の基本構想および他の法律の規定による計画であって当該広域計画の項目に関する事項を定めるものとの調和が保たれるようにしなければなりません。【地方自治法291の7(2)】

    送付、公表、提出等

    広域連合は、広域計画を作成しまたはこれを変更したときは、直ちに、これを当該広域連合を組織する地方公共団体の長に送付し、かつ、公表するとともに、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事に提出しなければなりません。【地方自治法291の7(3)(6)】

    広域計画の変更

    広域計画は、国等の権限に属する事務を処理することとされたとき(変更されたときを含む。)、その他これを変更することが適当であると認められるときは、議会の議決を経て、変更することができます。【地方地法291の7(5)(6)】

    広域計画に基づいた事務の管理・執行

    広域連合および当該広域連合を組織する地方公共団体は、広域計画に基づいて、その事務を処理するようにしなければなりません。【地方自治法291の7(7)】

    勧告

    広域連合の長は、当該広域連合を組織する地方公共団体の事務の処理が広域計画の実施に支障がありまたは支障があるおそれがあると認めるときは、当該広域連合の議会の議決を経て、当該広域連合を組織する地方公共団体に対し、当該広域計画の実施に関し必要な措置を講ずべきことを勧告することができます。【地方自治法291の7(8)】
    これは、広域連合が構成団体との関係において一定の独立性を有し、自主的・自律的な行政運営を行うために必要な機能の一つとして、広域計画に基づいて勧告を行うことができることが、広域計画の実効性を確保するという観点から適当であり、そのための規定が設けられたものです。
    広域連合の長が行った勧告は、広域連合を組織する地方公共団体を法的に拘束するものではないが、このような勧告制度を包含する広域連合を設けて広域行政を推進することとした趣旨からして、当該勧告は尊重すべきものと解されます。

    報告

    広域連合の長は、勧告を行ったときは、当該勧告を受けた地方公共団体に対し、当該勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができます。【地方自治法291の7(9)】

    その他

    広域計画の作成または変更に当たっては、次に掲げる事項に留意します。

    1. 法律の規定による計画であって当該広域計画の項目に関する事項を定めるものとの調和を保つため、国の関係行政機関および地方公共団体の関係部局と、必要に応じ、十分な連絡調整を図ること。
    2. 必要に応じ、広域連合を組織する地方公共団体との連絡調整を図ること。

    協議会の設置

    広域連合は、広域計画に定める事項を一体的かつ円滑に推進するため、広域連合の条例で、必要な協議を行うための協議会を置くことができます。【地方自治法291の8(1)】

    協議会の構成員

    協議会は、広域連合の長および国の地方行政機関の長、都道府県知事(当該広域連合を組織する地方公共団体である都道府県の知事を除く。)、広域連合の区域内の公共的団体等の代表者または学識経験を有する者のうちから広域連合の長が任命する者をもって組織します。【地方自治法291の8(2)】

    分賦金

    広域連合の規約に掲げる広域連合の経費の支弁の方法として、広域連合を組織する地方公共団体の分賦金に関して定める場合には、広域連合が作成する広域計画の実施のために必要な連絡調整および広域計画に基づく総合的かつ計画的な事務の処理に資するため、当該広域連合を組織する地方公共団体の人口、面積、地方税の収入額、財政力その他の客観的な指標に基づかなければなりません。【地方自治法291の9(1)】

    予算上の措置

    上記により定められた広域連合の規約に基づく地方公共団体の分賦金については、当該地方公共団体は、必要な予算上の措置をしなければなりません。【地方自治法291の9(2)】

    経費分賦等に関する異議

    次に掲げるときは、当該広域連合を組織する地方公共団体は、その告知等を受けた日から30日以内に当該広域連合の長に異議を申し出ることができます。【地方自治法291の12(1)(2)】

    1. 広域連合の経費の分賦に関し、違法または錯誤があると認めるとき。
    2. 広域連合が新たに事務を処理することとされたとき(変更されたときを含む。)に係る規約の変更のうち広域連合の経費の支弁の方法に係るものに関し不服があるとき。

    異議の申出に対する措置等

    広域連合の長は、上記異議の申出があったときは当該広域連合の議会に諮ってこれを決定し、または規約の変更その他必要な措置を執らなければなりません。【地方自治法291の12(3)】

    広域連合の解散

    一部事務組合の解散については、届出制をとっていますが、広域連合については許可制とされています。

    解散手続

    広域連合を解散しようとするときは、関係地方公共団体において協議を行います。この協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければなりません。
    協議が整えば、関係地方公共団体の長において、都道府県が加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事の許可を受けなければなりません。【地方自治法291の10(1)、291の11】

    許可制の趣旨

    広域連合の制度は、国等の権限または事務の受入体制の整備をその大きな目的の一つとして制度化されたものですが、国等は、その権限に属する事務を処理させることとした後には当該事務の処理に必要な組織を改廃してしまうことも考えられることから、広域連合は処理することとされた事務を長期にわたり安定的に処理することを制度的に保障する必要があります。
    そこで、解散についても、広域連合を組織する地方公共団体の意思のみでこれを決定し届出をすれば足りることとはせず、設置を許可したものの許可にかからしめることとしているものです。

    国との連絡調整

    国から事務を処理することとされている広域連合を解散しようとするときは、総務大臣および関係する国の行政機関の長と連絡調整を図り、解散後の事務処理に遺漏のないよう措置すべきです。

    一部事務組合に関する規定の準用

    議決事件の通知

    広域連合の長は、当該広域連合の議会の議決すべき事件のうち政令で定める重要なものについて当該議会の議決を求めようとするときは、あらかじめ、これを当該広域連合を組織する地方公共団体の長に通知しなければなりません。当該議決の結果についても同様です。 【地方自治法291の13、法287の3】
    議決すべき事件のうち政令で定める重要なものとは次に掲げるものです。

    1. 条例を設け、または改廃すること
    2. 予算を定めること
    3. 決算を認定すること
    4. 以上のほか、重要な事件として広域連合の規約で定める事件

    財産処分

    広域連合の財産を処分する必要がある場合は、次のとおりです。【地方自治法291の13、法289】

    1. 広域連合を組織する地方公共団体の数を増減する場合【地方自治法291の3(1)】
    2. 処理する事務を変更する場合【地方自治法291の3(1)】
    3. 広域連合の規約を変更する場合【地方自治法291の3(1)(3)(4)】
    4. 広域連合を解散する場合【地方自治法291の10】

    以上の場合において、広域連合が財産処分を行うときは、関係地方公共団体の協議により、もしくは関係地方公共団体と広域連合との協議によりまたは広域連合の議会の議決により定める。(関係地方公共団体の協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければなりません。)

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